ワーホリ中は住民票を抜くべき?メリット・デメリットや手続方法を解説

最終更新: July 19th, 2026
ワーホリ中は住民票を抜くべき?メリット・デメリットや手続方法を解説

「ワーキングホリデーに行く時は住民票を抜いたほうがいいの?」

「住民票を抜いた後に必要な手続きってある?」

「ワーホリ中も日本に住民票を残しておきたい」

こんな人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

日本のワーキングホリデー制度は、1980年に始まりました。これは海外で語学学習や観光をしている間、現地での就労も認めるという制度。政府統計の総合窓口 によると、2024年には21,963件のワーホリビザが発給されています。

けれどもワーホリに行く際、多くの人が住民票の扱いに悩むでしょう。そこで本記事では、ワーホリ中は住民票を抜くべきか、そして住民票を抜いた後の手続きについて、詳しく解説していきます。

住民票を抜いても、納税通知書や銀行の明細はあなたの日本の住所に届き続けます。

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ワーキングホリデーに行くなら住民票を抜くべき?

1年以上海外に滞在する際は、役所に海外転出届の提出が必要です。そのためワーホリ期間が1年以上になる人は、出国前に海外転出届を提出しなければなりません。滞在期間が1年未満の人には提出義務がないものの、任意で提出することも可能です。

海外転出届を提出した場合、出国日に住民登録が抹消されます。これが「住民票を抜く」、あるいは「除票する」ということ。住民票を抜くと、日本に住所を持たない「非居住者」として扱われるようになります。

住民票を抜くことにはメリットがある一方、デメリットも存在します。だからこそ海外滞在が1年未満の人は、メリットとデメリットを比較したうえで、住民票をどうすべきか考えてください。

住民票を抜くメリット

住民票を抜くメリットに、国民年金保険や国民健康保険の加入義務がなくなる点があります。2026年の国民年金保険料は年間で約215,040円であり、保険料の支払い義務がなくなれば金銭面で助かるという人は多いでしょう。国民健康保険料は収入によって変わりますが、やはり金銭面での負担は大きいですよね。

さらに1月1日時点で住民票が抜かれていれば、その年の住民税もかかりません。これは住民税が1月1日の住所を基準として課税される仕組みであり、日本に住所のない非居住者には支払い義務がないためです。

国民年金保険・国民健康保険・住民税で、年間数十万円ものコスト節約ができる点は、住民票を抜く大きなメリットといえます。

住民票を抜くデメリット

住民票を抜くことで金銭的なメリットが得られる一方、いくつかデメリットも生じます。その一つが、国民健康保険の加入対象から外れること。そのままでは病気やケガの治療費が全額自己負担となるので、別の民間保険に加入するなどの対策が必要です。

また国民年金の対象から外れるため、将来の年金受給額が減る点もデメリットといえます。受給額を減らしたくない人は、国民年金の任意加入をするとよいでしょう。

さらに非居住者になれば日本の行政サービスは利用できなくなりますし、銀行口座やクレジットカードの新規開設も難しくなります。住民票を抜くかどうか悩んだ時は、メリット・デメリットを比較して慎重に判断してください。

海外転出届の提出方法

住民票を抜くには、海外転出届を提出する必要があります。

  • 提出時期:出国の14日前~出国当日
  • 提出場所:現在の住民票がある市区町村の役所
  • 必要書類:海外転出届(住民異動届)、本人確認書類、マイナンバーカード など

市区町村によって必要書類は異なるので、事前にホームページなどで確認しておきましょう。なかには住民異動届で海外転出手続きを行う自治体や、パスポートの提出や印鑑が必要となる自治体もあります。

なお役所窓口での手続きだけでなく、郵送での手続きも可能です。郵送の場合は海外転出届のフォーマットや必要書類が異なる場合もあるので、注意してくださいね。

住民票を抜いた場合に必要となる役所手続き

住民票を抜かない場合は、日本の居住者としてワーホリに参加するため、マイナンバーカードや健康保険、年金などの手続きは必要ありません。これまでどおり住民税の支払い義務も生じます。

一方で住民票を抜いて非居住者となる場合、それぞれの継続手続きや脱退手続きなどが必要です。また住民税の扱いにも注意が必要で、出国タイミングによっては非居住者であっても住民税の支払いが求められます。

それぞれの手続きについて、詳しく見ていきましょう。

【マイナンバーカード】国外転出者向けに切り替える

2024年5月以降、日本国籍を持つ人は海外転出後もマイナンバーカードの継続利用が可能となりました。そのためには、国外転出者向けマイナンバーカードへの切替手続きを行ってください。

手続き方法は以下のとおりです。

  1. 海外転出届の提出時に、マイナンバーカード国外継続利用申請書を提出する
  2. 市区町村の窓口でマイナンバーカードに転出日が追記され、ICチップ内の情報が変更される
  3. 市区町村が海外転出者向けに電子証明書を発行する
  4. マイナンバーカードの切り替え手続きが完了

引用:マイナンバーカードを国外で利用する – マイナンバーカード総合サイト

出国日の前日までに手続きをすれば、海外転出後もマイナンバーカードを利用できます。手続きをしないまま出国すると、マイナンバーカードが失効するので注意しましょう。

【国民健康保険】脱退手続きを行う

日本の国民健康保険は、日本に住んでいる人向けの制度です。つまり海外転出届を提出すると、国民健康保険の加入義務はなくなります。海外転出届を出した後は、忘れずに国民健康保険の脱退届も提出してください。

ただし自治体によっては、海外転出届の提出と同時に、自動で脱退手続きが完了するところもあります。住まいの市区町村で確認しておきましょう。

【国民年金】脱退か任意加入か選ぶ

国民健康保険と同様に、海外転出届を出すと国民年金の加入義務もなくなります。そのまま脱退する場合は、市区町村の国民年金担当窓口で資格喪失の手続きを行ってください。

あるいは国民年金の任意加入手続きを行い、海外から年金保険料の支払いを続けることも可能です。任意加入制度を利用すれば、将来の年金受給額が減らないため、老後に備えることができますよ。

海外から保険料を納める方法は、次の2つです。

  • 口座振替:日本国内の銀行口座から引き落としをする
  • 納付書:日本国内の協力者が代理で納付する

任意加入手続きも、国民年金担当窓口で行います。基礎年金番号のわかる書類かマイナンバーカードと、銀行の通帳・印鑑を持参しましょう。

参考:任意加入制度|日本年金機構

【住民税】1月1日時点で日本にいると支払い義務があるので注意

1月1日時点で日本にいる人には、住民税の支払い義務が生じます。これは居住者だけでなく、年内に海外転出届を出して非居住者となった場合でも変わりません。

住民税は前年の所得に対して課税され、6月から次の5月にかけて支払う仕組みです。つまり2026年1月15日に出国した場合、2025年の所得に応じた住民税を、2026年6月〜2027年5月にかけて支払う必要があります。たとえワーホリ中でも、6月には住民税の納付書が届くはずです。

支払いが遅れると、延滞税が加算されるなどのペナルティが課されるかもしれません。自分で納付書を受け取る、あるいは住民税を支払うのが難しい時は、納税管理人に代行してもらいましょう。

納税管理人は家族や友人にも依頼できる

納税管理人とは、非居住者の代わりに税金手続きを代行する人のことです。特別な資格は必要ないので、日本に住んでいる人であれば、家族や友人に依頼しても構いません。納付書の受け取りや納税といった手続きをスムーズに進めるためにも、出国前に納税管理人を選出しておいてください。

納税管理人の選任手続きは、e-Taxか税務署窓口、郵送で行います。帰国後は解任手続きが必要なので、忘れないようにしてくださいね。

参考:A1-7 所得税・消費税の納税管理人の選任届出又は解任届出手続|国税庁

「6月に住民税の納付書が届くけど、ワーホリ中の自分はどうやって払えばいい?」と悩んでいませんか?

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そのほかワーホリ出発前のやることリスト

住民票を抜くかどうかに関わらず、ワーホリ準備としてやるべきことはたくさんあります。半年から1年ほどかけて、少しずつ準備を進めなければなりません。

まずはワーホリの目的や行きたい国、予算を決めますよね。パスポートの有効期限を確認しておくことも大切です。語学学校に通う予定があるなら、その申し込みも必要になります。

そのほかにやっておくべきことを、ここでは5つご紹介します。

【出国3カ月前まで】ワーホリビザの申請・取得

ワーホリに参加するには、ワーホリ用のビザを取得しなければなりません。申請手続きは駐日外国公館等で行うのが基本ですが、国・地域によってはビザ申請センターやオンラインでの申請も可能です。

ただしビザ申請の手続きは、外国語で行う必要があります。そのためミスが起きやすいうえ、誤った内容で申請してしまうと修正が大変なので注意してください。申請後に追加書類の提出や健康診断の受診を求められることもあるため、しっかり対応しましょう。

またビザを申請してから実際に発行されるまで、おおむね2週間から1カ月、場合によってはそれ以上かかる可能性があります。そのため出国の3カ月前までに、申請手続きを済ませておくと安心です。

参考:ワーキング・ホリデー制度|外務省

ワーホリビザの発給要件に注意

ワーホリビザの発給には、次のような要件があります。

  • 18歳以上30歳以下である
  • 主に休暇を過ごすという目的がある
  • 有効な旅券と帰りの航空券(または航空券用の資金)を持っている
  • 滞在当初に生計を維持できるくらいの資金を持っている
  • 健康である
  • 以前にワーホリビザを発給されていない など

細かい要件は選ぶ国・地域によって異なるので、確認しておきましょう。

なお通常は生涯で1国あたり1回しかワーホリに参加できませんが、カナダや韓国などの4カ国では、生涯で2回のワーホリ参加が認められています。

【出国90日前~】在留届の提出

海外転出届を出すかどうかに関わらず、3カ月以上の海外滞在を予定している人には、在留届の提出が義務付けられています。在留届を出しておけば、現地の最新情報を日本語で受け取れますし、事件や事故に巻き込まれた際は支援を受けられます。海外で3カ月以上生活する人は、必ず出しておきましょう。

外務省のオンライン在留届システム(ORRネット)を使えば、インターネット上で在留届の提出が可能です。

引用:トップページ|在留届

現地に到着する90日前から手続きできますが、現地に着いてから手続きをしても問題ありません。いざという時にスムーズなサポートを受けるためにも、早めの手続きを心がけてくださいね。

【出国1カ月前】お金の準備

現地では、給与の振込先として現地の銀行口座を開設すると思います。とはいえ口座開設までにも、何かとお金のかかる場面はあるはず。そんな時のために、以下の準備をしておきましょう。

  • 現地の通貨を3万円分ほど用意する
  • クレジットカードやデビットカードを用意する
  • ネット銀行を開設する

クレジットカードやデビットカードは、VisaやMastercardなどの国際ブランドを複数用意してください。クレジットカードは身分証明書代わりになりますし、デビットカードは現地ATMから外貨通貨を引き出せるため、使い分けると便利です。

そしてネット銀行があれば、海外でも操作ができます。オンラインバンキングへの登録もおすすめですよ。

【出国1カ月前】ワーホリ保険加入

海外転出届を出すと、国民健康保険の加入資格がなくなります。海外は医療費が高額になることもあるため、万一のケガや病気に備えて保険に加入しておくと安心です。

保険会社のなかにはワーホリや留学に特化したプランを提供しているところも多く、海外でも充実したサポートを受けられます。以下は人気の高いワーホリ保険例です。

  • 留学生・ワーホリ向けプラン(東京海上日動)
  • t@biho 海外留学保険(ジェイアイ傷害火災保険)
  • 海外留学保険 留学・ワーキングホリデー用(AIG損保)など

あるいは現地の保険に加入しても構いません。ただし保険料は安いことが多い反面、日本語には対応していないので、語学力に自信のある人向けといえます。

【出国1カ月前】スマートフォンの準備

日本で使っているスマートフォンの契約をそのままにしていると、毎月の基本使用料を払い続けることになります。それを避けるための選択肢は、解約するか、電話番号保管サービスを利用するか、MNPで格安SIMに乗り換えるかの3つ。それぞれの特徴は以下のとおりです。

日本の電話番号 メリット デメリット
解約 使えなくなる コストがかからない 帰国後の手続きが面倒
電話番号保管サービス 帰国後は使える 月々のコストが安い 海外でSMSが使えない
格安SIMへの乗り換え 継続して使える 月々のコストが安い 海外でもSMSが使える データ通信が難しい

帰国後も元の電話番号を使いたいなら、電話番号保管サービスを利用するか、格安SIMへの乗り換えがおすすめです。さらに海外でSMS認証などを利用することがあるなら、格安SIMのほうが便利です。

ただ格安SIMのなかには、データ通信ができないサービスもあります。その場合は海外で使えるものを選ぶか、eSIMや現地のプリペイドSIMを購入しましょう。

【出国1カ月前~】クラウド私書箱の登録

海外転出届を出しても、その情報は郵便局に伝わりません。そのため出国後も、日本の住所に納税通知書や各種明細書などの郵便物が届く可能性があります。

ワーホリ中に届く郵便物は、転送サービスを利用して実家に送るか、家族や友人に代理で受け取ってもらう人も多いでしょう。けれども時には人に見られたくない郵便物や、自分の目で確認したい郵便物もあるはず。そんな時には、クラウド私書箱が役立ちます。

クラウド私書箱とは、本人の代わりに郵便物を受け取ってスキャン・データ化し、クラウド上で管理するサービスのこと。インターネット環境さえあれば、海外からでも郵便物の確認が可能です。必須ではないものの、登録しておくと便利ですよ。

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ワーホリ 住民票に関するQ&A

最後に、ワーホリ中の住民票に関してよくある質問に回答していきます。

Q1)住民票を戻すために必要な帰国後の手続きはある?

出国時に住民票を抜いた場合は、帰国後に住民票を戻さなければなりません。そのためには、転入届の提出が必要です。

  • 提出時期:帰国後14日以内
  • 提出場所:住民票を抜いた市区町村の役所
  • 必要書類:転入届(住民異動届)、本人確認書類、パスポートか航空券の控え など

注意点は、帰国日がわかるパスポートか航空券の控えを持参すること。本籍地以外の自治体で手続きを行う場合は、戸籍謄本か戸籍の附票の提出も求められます。帰国後2週間以内に転入届を提出するよう義務付けられているため、遅れないようにしましょう。

転入手続きが完了したら、あわせて国民健康保険や国民年金の加入手続きも済ませておくとよいですね。

Q2)自分が住民票を抜くべきかどうかわからない

海外滞在期間が1年を超える場合は、基本的に住民票を抜くべきです。それより滞在期間が短く、住民票を抜くべきかどうか判断できない時は、以下の2点を参考にしてください。

  • 前年の所得がない
  • 親の扶養に入っている

上に当てはまる場合は、住民票を残すほうがメリットが大きいといえます。まず前年の所得がなければ住民税はかからないので、住民票を抜いても節税にはなりません。

また住民票を抜いてしまうと健康保険の被扶養者資格がなくなり、親の扶養に入れなくなるケースが多いです。ただし健康保険組合によって条件が異なるので、事前に確認してください。なお住民票を残していても、海外で得た収入額によっては扶養対象外となりますよ。

Q3)ワーホリビザから就労ビザへの切り替えは可能?

ワーホリビザでは就労も認められていますが、あくまでも観光や文化交流を目的とした特定活動ビザです。就労ビザとは目的が異なるので、簡単に切り替えることはできません。

基本的にはワーホリビザが切れる前に帰国し、在留資格を切り替える必要があります。手続きには時間がかかるため、計画的に行いましょう。

ワーホリで住民票を抜くかどうかは状況に応じて判断しよう

本記事ではワーホリに参加する人向けに、住民票を抜くべきかどうか、そして抜く場合の手続きについて解説しました。1年以上海外にいるなら住民票を抜くべきですが、それより滞在期間が短い場合は、状況によって抜くべきかどうかが異なります。メリット・デメリットを把握し、自分で判断しましょう。

またワーホリでは長期間海外に滞在することとなるため、渡航準備にも時間がかかります。やるべきことをリスト化し、抜け漏れなく行ってください。

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